田辺桃子が演じる『リコカツ』の一ノ瀬純

2021年に放送されたTBSのドラマ『リコカツ』において、田辺桃子は航空自衛隊の副パイロット・一ノ瀬純というキャラクターを演じ、ヒロインの北川景子が演じる咲と永山瑛太が演じる紘一の間に立ちはだかる“厄介なライバル”の姿を印象的に表現しました。この役柄が注目され、彼女の演技力に対する視線が一層高まりました。

ドラマ『リコカツ』と田辺桃子の役

『リコカツ』は、新婚夫婦が結婚後すぐに直面する葛藤を描いたコメディ要素のあるヒューマンドラマです。田辺桃子が演じる一ノ瀬純は航空自衛隊航空救難団の副パイロットという役柄で、彼女は紘一を誰よりも理解していると信じ、自身の嫉妬心を抱きつつ、ヒロイン咲に対して敵対心を見せるキャラクターです。

一ノ瀬純のキャラクターの内面

一ノ瀬純は華やかな制服を着ながらも、自身が紘一に最も適しているという思い込みを抱く女性です。紘一が交際ゼロ日で結婚したことにショックを受け、彼女は内心で“自分の方がふさわしい”という感情を強めます。仲間たちが楽しんでいる中、彼女は複雑な心情を抱え、咲と紘一の新婚生活を耳にするたびに燃え上がるライバル心を露わにします。

役作りと演技に対する熱意

田辺桃子は、実際の航空自衛隊の基地を訪れ、救難ヘリの現場や副パイロットとしての所作について徹底的に取材を行いました。撮影前には実際の副操縦席に座り、装備の重さや無線機の使い方を学び、役に臨む準備をしました。また、一ノ瀬純の「静かな敵意」を伝えるため、セリフを抑えた表情や目線による演技に力を入れ、ヒロインとの緊張感を巧みに演じ分けました。

視聴者と批評家の反応

『リコカツ』の放送中、SNSでは「一ノ瀬純の憎たらしさが最高」といった意見が多く寄せられ、彼女のキャラクターが話題になりました。批評家からは「田辺の目線だけで胸の内を表現する演技は見事」と高く評価され、主演とは異なる印象を視聴者に残しました。特に第7話での“筑前煮女”としての鋭い視線は、視聴者の記憶に強く刻まれました。

撮影現場でのエピソードと共演者との関係

撮影現場では、北川景子が演じる咲との衝突シーンをより深く表現するために、午前中から何度もリハーサルを行うのが常でした。また、永山瑛太が演じる紘一とのシーンでは、実際の飛行訓練を想定した緊張感のある演出が行われ、二人の関係性がリアルに描かれました。共演者たちからは「田辺さんは集中力が非常に高く、現場の雰囲気を引き締める存在」と称賛されています。

田辺桃子の演技スタイル

田辺桃子は「セリフよりも目の演技」に秀でており、瞬時の表情変化で感情を伝えることができます。『リコカツ』では、咲と紘一が幸せそうな会話を交わす度に微かに歪む口元や、暗闇の中で輝く瞳が印象的で、彼女の内面的な葛藤を巧みに表現しました。批評家からは「セリフなしでもその心情が伝わる」と絶賛されました。

他のドラマとの比較

同じクールで『ゆるキャン△2』や『ガールガンレディ』にも出演していた田辺桃子は、『ゆるキャン△2』での爽やかなキャンプ女子役や、『ガールガンレディ』でのアクションシーンとの対比が注目されました。『リコカツ』の一ノ瀬純では冷たい印象を持つキャラクターを演じることで、演技の幅をアピールし、「どんな役でも自然にハマる」と評価されています。

今後の展望と影響

『リコカツ』で一ノ瀬純を見事に演じたことで、田辺桃子は「ヒロインのライバル役の第一人者」としての地位を確立しました。2025年には社会派ドラマ『対岸の家事』にて人情味あふれるヒロイン役にも挑戦し、演技の幅をさらに広げています。今後は脇役に留まらず、主演を果たす可能性も高まり、「田辺桃子の演技を観るためだけにドラマを選ぶ」という声も増えており、彼女の注目度はますます上昇しています。

まとめ

田辺桃子は『リコカツ』での一ノ瀬純という役を通じて、視聴者に強い印象を残し、透明感の中に潜む嫉妬心を見事に表現しました。学園ものやコメディ、社会派ドラマなど多彩なジャンルでの活躍を続ける彼女は、今後も様々な役柄で観る者を魅了し続けることでしょう。田辺桃子の次なる挑戦から目が離せません。