能年玲奈ドラマ復活の軌跡

NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で瞬く間に国民的スターへと成長した能年玲奈。しかし、事務所とのトラブルによってメディアへの露出が減少し、ドラマでの出演がしばらく途絶えてしまいました。2017年には自主制作映画や舞台で活動を再開し、2022年にはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で民放の連続ドラマに復帰。2025年にはTBSの日曜劇場『キャスター』に登場し、失われた時間を取り戻すかのように多様なキャラクターで視聴者を再び魅了しています。

ドラマデビューと『あまちゃん』での成功

能年玲奈は2013年にNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でヒロインの天野アキを演じ、連日20％以上の世帯平均視聴率を記録しました。「じぇじぇじぇ！」というセリフが流行語となるほどの社会現象を巻き起こし、彼女の透明感あふれる演技と自然体な魅力が多くの支持を集めました。CM契約も10社以上に達し、女優としての確固たる地位を築くことに成功しましたが、その後のトラブルによって一時的に表舞台から姿を消すことになります。

表舞台からの消失期と自主制作映画への挑戦

『あまちゃん』の成功後、能年は所属事務所との契約トラブルにより、ドラマやCMへの出演が大幅に減少しました。2016年以降は自主制作映画『Ribbon』にて脚本・主演を務め、舞台にも出演しながら商業作品に依存しない表現活動を展開しました。この期間は、クリエイティブな力を高める貴重な時間となり、彼女の演技復帰に向けた基盤を築くことに寄与しました。

2022年にNHK大河『鎌倉殿の13人』での再出発

2022年、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に女優名「のん」として出演し、悪役に近い武将の妻役を演じました。初の時代劇挑戦にもかかわらず、彼女の存在感は際立ちました。放送後には「大河でのんちゃんを見るのが嬉しい」「自然体の演技が素晴らしい」と高い評価を受け、ドラマシーンへの復帰を証明しました。プロデューサーや脚本家からも再びオファーが相次ぎました。

演技スタイルと役柄の幅広さ

能年玲奈はその透明感あふれるルックスから、これまで「清楚」「純粋」といった役柄が多かったものの、自主制作時代に培った演技力を活かし、『鎌倉殿の13人』では凛とした姿勢の中に複雑な内面を表現しました。その後のTBS日曜劇場『キャスター』では、最先端研究員として新たな役柄を演じ、清楚さや知性、情感豊かな表現力を兼ね備えた演技で多様なジャンルのドラマにおいて活躍できるポテンシャルを示しました。

2025年『キャスター』で見せた新たな一面

2025年4月に放送されたTBS日曜劇場『キャスター』第3話で、能年玲奈（のん）は天才研究員・篠宮楓役を演じ、約11年ぶりに民放連ドラに復帰しました。メディア取材を拒む神秘的なキャラクターとして登場し、主人公との駆け引きシーンはSNSで話題となりました。透明感に加えて、冷静沈着なキャラクターと鋭い視線が視聴者に強い印象を与えました。

今後のドラマ出演と期待される役柄

現在、能年玲奈は個人事務所「non inc」を拠点にし、俳優業のみならず、企画や制作にも関与しています。今後は民放の主演ドラマだけでなく、国際映画祭向けのアート系ドラマや配信オリジナル作品への出演も期待されています。透明感あるヒロイン役だけでなく、ダークなサイコスリラーやコメディといった多彩なジャンルで新たな魅力を発揮することでしょう。

まとめ

能年玲奈のドラマキャリアは、『あまちゃん』での大成功からトラブルによる消失期、自主制作での再起、そして大河ドラマと日曜劇場での復帰という激動の軌跡を辿っています。今後も彼女の自由な発想と確かな演技力で、多様なドラマシーンを彩り続けることが期待されます。能年玲奈の次なる活躍から目が離せません。