モデルとなった実在の人物を徹底解剖
人気漫画『かくかくしかじか』のキャラクターたちは、実際に存在する人々をモデルにしています。作者である東村アキコさんを含め、明子や日高先生、さらにはクラスメイトたちの実際の人物像はどのようになっているのでしょうか。作品の制作秘話も交えながら、ファンが気になる「誰が誰をモデルにしたのか」を詳しく解説します。
東村アキコが主人公のモデルに
『かくかくしかじか』の主人公である明子は、まさに東村アキコさん自身がモチーフとなっています。高校時代の彼女は美術部に所属し、学校の帰りには画材店に立ち寄るほど絵に熱中していました。制服のリボンの結び方やノートに書いた落書き、さらには休日の予定に至るまで、作品の細部は彼女の実生活を反映しています。インタビューでは「自分を隠さず描くのは不安だったが、これが私の青春」と語っています。
恩師の日高先生の実像
主人公の恩師である日高先生は、東村さんが高校時代に出会った美術の先生がモデルとなっています。この先生は元大学の美術科に所属しており、授業中に生徒の作品を深夜まで添削するなどの逸話が残っています。映画化に際しては、先生のご家族からも許可を得ており、黒板の文字やアトリエの雰囲気も忠実に再現されています。作品の中の「色彩の授業」シーンは、実際の授業内容をそのまま描写しています。
友人たちの実在モデル
主人公の友人たちも多くが実在の人物に基づいています。ナカジマ、サトウ、ミヤザキなど、原作に登場する名前は高校時代の友人たちに由来しています。特に文化祭ポスター班のリーダーであるナカジマは、東村さんの幼馴染であり、美術部の副部長を務めたKさんがモデルです。Kさんは現在もアートイベントを主催しており、自身の作品後書きで「元気に活動中」と記載されています。
家族キャラクターもリアルな描写
明子の母親や兄妹も、東村さんの実家をほぼそのまま再現しています。母親役は、家庭内で絵について語り合った実際の母親がモデルで、「色選びが下手ね」と叱るセリフもそのまま彼女の言葉です。また、家庭のリビングに飾られた油絵も、学生時代に母親が描いた作品を基に再現されています。
モデルの発掘と許諾の過程
これほど多くの実在モデルが存在する背景には、原作者と編集部の徹底した取材と許諾交渉がありました。連載前に彼女は母校を訪れ、当時の教員や同級生からエピソードを集めました。個人情報保護の観点から名前は変更されていますが、許可を得た上で詳細を記録しました。担当編集者は「秘密裏に進めた取材が功を奏した」と振り返っています。
映画化におけるモデル再現の工夫
映画版では、原作以上に実在モデルの再現に力を入れました。ロケハンで母校を訪れ、A先生の教室をそのままセットにしました。クラスメイト役には、東村さんが推薦した同級生をエキストラとして起用し、文化祭のシーンでは当時の雰囲気を再現しています。美術道具の細部や画材店の看板もこだわりを持って再現され、原作者も「まるでタイムスリップしたようだ」と称賛しています。
まとめ
『かくかくしかじか』のキャラクターたちは、作者である東村アキコさんとその周囲の実在の人々をモデルにしています。主人公の少女、恩師、家族、友人たちが青春時代のリアルな姿を映し出すことで、多くの読者や観客に共感や懐かしさを与えています。原作と映画の両方で、リアルなモデル設定を観察し、作品の深さを楽しんでください。
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