小芝風花、氷上から舞台へ転身の軌跡

女優・小芝風花さん（27）は、小学3年生から中学2年生までフィギュアスケートの選手として全国大会に出場する実力を持っていました。しかし、成長期に伴う膝の痛みから2度の手術を受け、競技を続けることが困難になり、14歳でスケートを断念することに。以降、オーディションを通じてグランプリを獲得し、フィギュアで磨いた集中力と表現力を活かして女優としての道を歩み始めました。今回は彼女が氷上を離れ、新たな舞台へと進むまでの経緯を詳述します。

フィギュアスケートとの出会いと選手時代

小芝風花さんは、2006年に行われたトリノ五輪で荒川静香選手の金メダルを見て、フィギュアスケートを始めました。小学3年生の時には、ノービス級の全国大会「全日本フィギュアスケートノービス選手権」にアイスダンス種目で出場し、西日本選手権では8位入賞を果たすなど、将来を期待される選手でした。彼女のスケートへの情熱を支えたのは、滑る楽しさを教えてくれた恩師との貴重な時間でした。

膝の手術と競技継続の苦悩

中学時代、小芝風花さんは成長期特有の膝の痛みが悪化し、両膝の手術を受けることになりました。リハビリのために氷上での練習が数カ月間できず、復帰後も思うようにジャンプができない日々が続きました。器械体操で培った体幹の強さも術後の痛みを克服するには至らず、「週6日の練習と学業を両立させることが難しい」と、自身の才能や情熱だけでは解決できない現実を痛感したのです。

オーディションでつかんだ女優の道

スケート競技を続ける選択肢が狭まる中、2013年には「Oscar Promotion Girl Audition」でグランプリを受賞しました。初挑戦で数百人の中から選ばれ、スペシャルドラマ『スケート靴の約束～名古屋女子フィギュア物語～』で女優デビューを果たしました。「選ばれたことの喜び」が、彼女の役者としての情熱をかき立て、14歳で上京し、フィギュアでの経験を生かしながらキャリアを築いていきました。

女優業に活きる氷上の教訓

フィギュアスケートで鍛えた集中力や自己管理能力は、撮影現場でも大いに発揮されています。厳しい撮影スケールジュの中でも「片手間では両立できない」と、自らに厳しい練習のルールを課し続けています。特にアクションやダンスが求められる役柄においては、氷上で培った身体のコントロールや空間認識が大きな強みとなり、「現場を明るくするムードメーカー」としても高い評価を得ています。

現在も続くフィギュア愛と今後の展望

現在でも同年代のトップスケーターを応援し、自身が練習していたリンクに通うほどフィギュアスケート愛は色褪せていません。今後は演技の幅を広げつつ、氷上での経験を生かしたスポーツドラマやドキュメンタリー番組への出演など、新たな挑戦が期待されています。「スケートと演技、両方の世界で恩返ししたい」と語る彼女の次の一歩から目が離せません。

まとめ

小芝風花さんのフィギュアスケート人生は、才能と挫折、そして挑戦の連続でした。膝の手術という試練を乗り越え、オーディションを経て花開いた女優としての道。氷上で培った精神力と表現力は、今も彼女の女優としての信頼を支える大きな財産となっています。これからも彼女は、スケートへの愛情を胸に、様々な役柄でさらなる成長を遂げることでしょう。