ビエネッタ販売終了はなぜ？2025年以降の売ってる場所や種類を解説

贅沢な層状のチョコレートと濃厚なバニラアイスが織りなす「ビエネッタ」。特別な日のデザートとして、また昭和から平成にかけての憧れのアイスとして、多くの人に愛されてきました。しかし、2025年に入り「ビエネッタが販売終了になる」という衝撃的なニュースが駆け巡りました。この記事では、ビエネッタがなぜ販売終了となったのか、その納得の理由と、2025年現在の入手方法、そして長年親しまれてきた種類について詳しく解説します。

ビエネッタが2025年3月で販売終了した真相

森永乳業が販売していたケーキアイス「ビエネッタ」は、2025年3月31日をもって、日本国内での販売を終了しました。1983年の発売以来、40年以上の歴史に幕を閉じることとなり、多くのファンから惜しむ声が上がっています。

販売終了の最大の理由はライセンス契約の終了

ビエネッタが販売終了となった直接的かつ最大の理由は、イギリスのユニリーバ社との「ライセンス契約の終了」です。

もともとビエネッタは、ユニリーバ社が世界展開しているブランドであり、日本では森永乳業がライセンスを受けて製造・販売を行っていました。しかし、2025年3月末をもってこの契約が満了することとなり、森永乳業は「ビエネッタ」という名称や、あの独特の製法を用いた商品の販売を継続することができなくなったのです。

売上の不振や人気の低迷といった理由ではなく、あくまで契約上の都合による終了であるため、ブランドの価値は高いまま、惜しまれつつ姿を消すこととなりました。

ビエネッタはもうどこにも売ってない？現在の入手方法

2025年3月末でメーカーからの出荷は終了していますが、今すぐ完全に手に入らなくなったわけではありません。以下の場所であれば、まだ出会える可能性があります。

ネット通販の在庫分をチェック

Amazonや楽天市場などの大手通販サイトでは、ケース単位での在庫が残っている場合があります。特に「ビエネッタ カップ」などは、賞味期限の長いアイスクリームの特性を活かし、セット販売が行われていることがあります。ただし、在庫がなくなるにつれて価格が高騰したり、送料が高くなったりする傾向があるため、早めの確認が必要です。

地方のスーパーやドラッグストアの冷凍コーナー

都市部のコンビニエンスストアでは回転が早いため、すでに在庫はほぼ残っていないと考えられます。しかし、地方の大型スーパーや、お菓子の品揃えが豊富なドラッグストア、ディスカウントストア（ドン・キホーテなど）の冷凍ショーケースの奥に、まだ在庫が眠っている可能性があります。

ふるさと納税の返礼品

ビエネッタは静岡県裾野市にある工場で製造されていたため、同市のふるさと納税の返礼品としてラインナップされていた時期がありました。契約終了に伴い、これらも順次受付が終了していますが、駆け込みで申し込んだ分が届くのを待っている方も多いようです。

長年愛されたビエネッタの種類と特徴

ビエネッタには、最後まで愛された3つの主要なラインナップがありました。それぞれの特徴を振り返ってみましょう。

ビエネッタ バニラ（箱入り・ケーキタイプ）

これこそがビエネッタの代名詞とも言える商品です。530mlの大容量で、包丁で切り分けて食べるスタイルは、家族団らんやパーティーの主役でした。何層にも重なったパリパリのチョコレートと、北海道産生クリームを使用した濃厚なバニラアイスのハーモニーは、他のアイスでは決して味わえない贅沢なものでした。

ビエネッタ ティラミス（箱入り・ケーキタイプ）

バニラと並んで人気だったのがティラミス味です。コーヒーの苦味とマスカルポーネチーズのコクが合わさり、より大人向けの贅沢なデザートとして重宝されました。上部にデコレーションされた波のようなチョコレートの美しさは、まさに職人技と言える仕上がりでした。

ビエネッタ カップ バニラ

「食べたいけれど、箱入りは大きすぎる」というニーズに応えて登場したのがカップタイプです。一人でも手軽にあのパリパリ食感を楽しめるように設計されており、カップの中でもしっかりと層状の構造が再現されていました。自分へのちょっとしたご褒美として、仕事帰りや家事の合間に楽しむファンが多かった商品です。

ビエネッタという名前の由来と優雅な歴史

ビエネッタ（Viennetta）という名前は、音楽の都であるウィーン（Vienna）に由来していると言われています。ウィーンの貴婦人が持つ扇子や、ドレスのフリルをイメージしたような、あの美しい波状のデザインがその名の通り優雅さを演出しています。

1983年に日本に上陸した当時は、高級アイスクリームの先駆け的な存在でした。当時のCMやパッケージの雰囲気から、「いつか一人で一箱丸ごと食べてみたい」という夢を抱いた子供たちも多く、昭和から令和まで、まさに時代を超えたアイコンとなっていました。

似ているアイスや代替品はある？

ビエネッタがなくなってしまった後、あの「パリパリ食感」と「アイスの層」をどこで補えば良いのでしょうか。

現在、全く同じ構造を持つ代替品はありませんが、森永乳業の「パリパリバー」や、他社の「チョコモナカジャンボ」などは、チョコレートのパリパリ感を重視した商品として楽しむことができます。また、シャトレーゼなどの洋菓子店が展開するアイスケーキの中には、ビエネッタを彷彿とさせる層状の仕上がりのものが見つかるかもしれません。

しかし、やはりあのビエネッタ独自の「ヒラヒラとしたチョコレートの層」は唯一無二であり、ライセンス契約がどこか別のメーカーで再開されない限り、完全な復活は難しいのが現状です。

まとめ：私たちの記憶に残るビエネッタの輝き

ビエネッタの販売終了は、一つの時代の終わりを感じさせる出来事となりました。契約終了という避けられない理由ではありますが、あのパリパリとした音と、口の中でとろけるバニラの甘みは、私たちの記憶の中に色褪せることなく残り続けるでしょう。

もし、今あなたの街の冷凍庫でビエネッタを見つけることができたら、それは非常にラッキーなことです。ぜひ、その最後の一口を、40年間の歴史を噛みしめながら大切に味わってください。

次は、ビエネッタのように惜しまれつつ終了した他のレトロアイスの歴史や、現在復活が期待されている懐かしのお菓子について、さらに詳しくお伝えしましょうか。