真央が創る劇場型ICE革命

浅田真央がプロデュースを手がける劇場型アイスショー「Everlasting33」と「BEYOND」。氷の上の演劇とも言える斬新な舞台演出や豪華プログラム、全国ツアーの舞台裏まで、座長としての真央の挑戦と未来展望を詳しくご紹介します。

企画背景：劇場型アイスショーへの挑戦

浅田真央は2017年に競技生活を終えた後、従来のアイスショーの枠を超え、“劇場空間”を用いた公演を目指しました。立川ステージガーデンを舞台に、演劇やコンサートのような雰囲気を氷の上で再現するという画期的な試みを行い、観客に一瞬が永遠に感じられる体験を提供することを目指しています。

「Everlasting33」では、馬蹄形の氷舞台がプロセニアムアーチで囲まれ、観客を立体的に包み込む構造を採用しています。従来のアイスリンクとは異なり、劇場の緞帳や照明を活かした演出により、観客はまるで主演女優のような一体感を味わうことができます。

浅田はキャストの選定から振付、演出、楽曲、衣装、さらにはツアーグッズの開発まで、ショーのすべてに深く関わっています。彼女自身が厳選したクラシックや映画音楽を用い、スケート靴を脱いで行うダンスプログラムも取り入れています。このような細部にわたる演出は、真央のプロとしてのこだわりを感じさせます。

「Everlasting33」では、全ての曲が新たに構成され、現役時代には使用されなかったクラシックや映画音楽を盛り込んでいます。空中演技やスケート上での即興セッション、新感覚の群舞など、技術と表現力を融合させた多彩な演目が観客を魅了しています。

劇場での空間演出に合わせて、オーケストラピットを模した音響設計や、華やかな赤と金の衣装が使用されています。特にAラインのドレスはビーズ装飾が施され、高貴な印象を与えています。楽曲ごとに異なる音響効果を工夫し、音楽と衣装の調和が観客を没入させる要因となっています。

HideboHやSeishiroといったトップダンサーをゲストとして招き、タップダンスやコンテンポラリーダンスを披露します。陸上でのパフォーマンスと氷の上での演技を融合させ、新しい形の舞台芸術を実現しています。

「Everlasting33」は2024年6月2日から16日まで立川ステージガーデンで全15公演が予定されています。その後、過去に66万人を動員した「MAOサンクスツアー」や「BEYOND」の成功を受け、次のツアーも全国の主要都市で開催される予定です。

劇場席から氷舞台を見下ろす3階席の臨場感やプロジェクションマッピングを活用した演出が特に注目されています。演目の合間にはキャストとの交流タイムが設けられ、観客が参加できる“演劇的”な要素が話題を呼んでいます。

TBSや多くのスポーツ紙では「氷上演劇の新境地」として高く評価されています。YouTube公式チャンネルに投稿された予告動画は再生回数が100万回を超え、SNS上では「一生に一度の体験」との称賛の声が多く寄せられています。

座長としての挑戦は今後も続き、2025年には海外公演も視野に入れた劇場型ショーの企画が進行中です。真央は「アイスショーは演劇であり、芸術作品」と語り、氷上演劇の国際的なスタンダードの確立を目指しています。

浅田真央の劇場型アイスショーは、従来のアイスリンクを超えた新たな舞台芸術として進化を遂げています。観客を主演女優のように引き込む演出力と、全体を統括するプロデュース力により、氷上演劇の新時代が切り開かれています。次なる舞台への期待が高まります。